「懲りないね…あんたたち」
「エル!それは例の処分をうけいれるということか?」
「ふん!ガゼが戦いの途中に逃げ出したなんて、そんなこと
あるわけないだろ!」

エルは、マキとおばあちゃん家族が住む村の詰所に来ています。
正確には呼び出されたのです。
エルはマキには見せたことの無いような剣幕で、詰所を仕切る兵団達に食ってかかりました。

エルの夫、ガゼは先のデヴィーチェ(6惑星間の大戦争)の時、
数えきれないほどの戦いのさなか、敵と交戦中に逃げ出した、
騎士の名に恥ず臆病者と、
村の標的になっていました。

ガゼ自身、その戦い以降姿を消したままです。

残されたエル達は、兵団に村の退去を要求されていました。

ガゼは元々、カルテアの星の3騎士の1人、アックスフォード家の
もとで仕えていた強い騎士。

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アックスフォードの家系の象徴は白い薔薇の花。
アックスフォード家の当主カイザ・アックスフォードは、
庭に咲いた白薔薇をガゼに与えたことがありました。

「みよ!ガゼ。今年も立派に咲いたわ」
「はっ!」
「お前も、私によく仕えてくれた。
私がカルテアの君に仕えるがごとく、真実と真心をもってな。
この白薔薇は、私がカルテアの君への心と同じじゃ。
お前にも、その心があるよう、これを授けよう」
「はっ!」

ガゼは嬉しさのあまり、家に帰ったとき、子供の様に喜び、
エルに話をしました。
幼いマキはそんなガゼに抱き上げられ、喜びました。
エルはそんなガゼを見て、庭で白薔薇を育ててみようと
思ったのです。

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「エル!聞いているのか!?」
「!」
エルはそんなガゼの事を思い出していました。

「懲りないのはお前の方ではないのか?」
1人の兵がエルに言いました。
「庭で何かしているようではないか!
アックスフォード様の名まで汚すつもりではなかろうな?」
「なっ!」
エルはあまりにもな言葉にあっけにとられました。

「………アックスフォード様を、汚すわけがない。
ガゼが逃げ出すわけがない………」
「それを証明できるか?」
「出来る………。ガゼが、花が教えてくれる!」
エルは心を決めました。

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