リュリの妖精の粉が流れてくる方向へと向かったディオン達。

「妖精の粉は、私たちが持っている力の源。
リュリが何か私たちに合図を送っているんじゃないかな…」
道すがら、リュリの事を想い、エクセルは急ぎます。
ですが小さい身体でそう急いだとしても、あまり距離は稼げません。

そのリュリをそっと肩に乗せたディオン。

「ディオン…」

「あまり心配しすぎるなよ。
合図を送っているなら、俺たちが間に合わないと意味がないからな」
それもリュリは分かっているはず。
そう付け足しディオンとアモは急ぎました。

東の雲付近に差し掛かってきて、雲の雰囲気がガラリと変わりました。

「な、なんだろう?」
アモが少したじろぎました。

「嫌な空気だな。東の雲で何か起きかけてるのは、あながち間違ってないかもな…」
ディオンが呟きます。

すーっと飛んできた先は、雲の洞窟になっていました。

それまで黄みがかっていた雲は、少しずつ澱み、灰色がかってきています。

「この奥にリュリがいるの?」
エクセルは心配そうです。

洞窟の奥をリュリは覗き込んでみましたが、入ってみないと様子を知ることはできそうにありません。

「行こう」
そのエクセルをそっと庇い、ディオンが先へと進んでいきます。
アモもその後に続きました。

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ー地上ー

東の軍事国家の1つ、トートリオは今その牙を持って、
カルテアの君の居する王都へと目標を定めつつありました。

トートリオの主、トートリオンはかつては忠誠を誓ったはずのカルテアの君への反逆心を、
己の内だけではなく体外へと発しようと、議会を開いていました。

「我らが友よ。
今なおこのカルテアの星をカルテアの君に任せてもよいものか?
我らがこのままカルテアの君へこうべを垂れ続けたままでよいものか?
我らが友よ」

トートリオンは、王はどうしてしまわれたのか?

家臣たちは一様に戸惑いを隠せませんでした。

しかし、このトートリオの王であるトートリオンに身をもって背く猛者も、
デヴィーチェ(6惑星の戦争)以降、今ここにはおりませんでした。

「しからばどうされるおつもりです?」

「我らとて、カルテアの君へと忠誠を誓った身」

「我らが表立って動くことなど」

家臣たちは、トートリオンに取り繕うのに必死です。

トートリオンは今まで見せたことのないような嫌な笑みを見せ、
「目に見えぬ形でなければよいことよ」

トートリオンは何か思惑があるようでした。

______

洞窟の奥へと進んだディオン達は声を聞きました。

「はい…ですが…」

(しっ)
ディオンが2人に静かにするようにと合図を送ります。

(な、何?)
(リュリ?リュリなの!?)
(待て、エクセル!)
ですが、リュリを心配したエクセルは先に飛び出そうとしてしまいます。

それを慌てて止めたディオン。

雲の影から、様子を探りました。

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