カルテアの星。
5つの大陸の中央に位置する、王都から東の空の雲の上。
赤い髪を伸ばしたディオンは、親友の金髪でおさげのアモ、そして妖精のエクセルと共に
洞窟を脱した妖精リュリの話を聞いていました。

「ここ東の雲の下には、東の大陸アムソルド大陸がある。
そしてその大陸の中央に力を持つ国家の1つ、軍事国家トートリオがあるのは知ってるよね?」
「ああ」
「うん」
「そのトートリオは名家ガンディール家のトートリオンが治めている。それも知ってるよね」
「それで?」
ディオンは先を促した。

「そのトートリオンが、近頃不穏なことを考えているわ」
「不穏なこと?」
エクセルが尋ねます。
「例えば王都への進軍、とかね」
「何だって?」
「今のは例えばよ。例えば」
「リュリ!」
エクセルはリュリの言葉を咎めます。
「ごめん。ちゃんと話す」
「ああ、そうした方がいい」
「トートリオンはカルテアの君に対しての忠誠を、放棄しようとしている。
王都への攻撃か、あるいはカルテアの君への謀反。」
「そんな!」
エクセルはリュリが話してくれたことにショックを受けました。
「トーリオンに出来ると思うか?」
ディオンは、トートリオンの人物を思い、違和感を感じます。
「ええ。あのトートリオン1人には無理でしょうね」
「じゃあ…!」
「手引しようとしている天人がいるわ」
「それが……」
兄さんかもしれない。アモは言葉を飲み込みました。

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「リュリ。話してくれてありがとう」
「いいよ。私を助けてくれたあんた達のためだもん」
ディオンの礼に、リュリはすっかり元気になっているようで、気さくに答えます。
「それで、どうするの?」
「止めなきゃ…」
「アモ…」
「そんなの絶対にダメだよ!止めなくちゃ…!!」
アモは兄の事も心配でしたが、カルテアの星で争いが起こることも嫌でした。

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「行こう」
ディオンはアモの肩をぽんぽんと叩き、協力する意思を見せました。
「ディオン」
「そうと決まれば、とにかくトートリオに向かおうよ!ね、リュリも来てくれるよね!?」
「私も?」
「そうよ!」
エクセルはリュリも来てくれる事を信じます。
「……」
ディオンはリュリが他にも何か隠しているのでは?心では少しばかり思っていますが、エクセルには伝えません。
「いいよ。私も一緒に行くよ」
「!」
エクセルは嬉しそうです。
「じゃあ、早く行こう!」
アモは先へと進みます。
ディオンと、そして妖精の2人も後に続きました。

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