ディオンは東の雲のティニアの泉へと一直線。
いそげいそげ。

近くまで来て、雲の上へと降り、歩いて泉に辿り着こうとしました。
そこへ1人のブロンドの髪の長い、石像のような女と出会います。

「そんなに急いでどこへ行くんだい?天人の坊や」
「今急いでるんだ」
ディオンはかまっている時間はないと言いたげです。

「坊や。少し私と遊ばないかい?」
「悪いけどそんな時間は無いんだ」
女はなおも続けます。

「坊や。私と遊ばないとここを通さないと言ったら?」
「何だって?」
「ふふ、坊や。私とクイズをしよう」
そう言うと、女の身体から薔薇の棘のツルだけが伸び、ディオンの足を捕らえてしまう。

「坊や」
「わ、分かった」
ディオンは観念した。

「いい子だね。じゃあ問題。
天人の力で大切なものは何だと思う?
いち、カルテアの民の願いを叶える力
に、先を見通す力
さん、どんなときも慌てない力
さあ、どれだい?」

ディオンは一考する。

(どれだ?どれが天人にとって大切だ?
カルテアの民の願いを叶える力は、そもそもそれが俺たちの役目。
先を見通す力。無い天人もいると聞くが、俺はどうだ?
今回のこと、東の雲の事を予知出来なかった。
見通す力がもっと優れていたら…)

さらにディオンは考えます。

(最後はどうだ?
どんな時も慌てない?今こうしている時間なんてそもそも無いのにな。
……そうか、俺は焦っているのか…)

石像の女は問います。
「さあ、坊や。
どれが大切だい?」
「答えは」
「答えは?」
「答えは全部だ、全部大切だ」
ディオンがそう答えると、女はにっこりと綺麗な笑みを見せた。
「正解だよ」
「……」
「欠けているものが分かったのなら、さあおいき」
「……ありがとう」
ディオンは女に礼を言うと先を急いだ。

女は1人残された。
「さあ、ディオン。これからもっと先。
お前に耐えうる力があるか?」
女ーーユナ様はそう呟いて露となって姿を消しました。

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ディオンはティニアの泉まで来ました。
白い神聖な石枠で覆われた、まあるい泉です。

ディオンは泉の前でひざまずき、カルテアの君のことを思いました。

『カルテアの君よ』

ティニアの泉に、カルテアの君が映し出されます、
王宮で、妻となろうとしている6惑星の3大美女とうたわれるレフィル。
そして、3騎士の2人と、カルテアの君に仕えある騎士達がいます。

___________

王宮。

ブロンドのショートヘアの麗しき麗人がささやくように言った。
「静かにしてくれないか。カイザ」
「はっ、申し訳ありません」
カイザと呼ばれた赤い髪の騎士はカルテアの君の意思に従う、

カルテアの君は、遥か彼方からの声を聴いた。

『君は?』
『私はディオンと申します。
カルテアの君の命が狙われています。
東の大陸の軍事国家の1つ、トートリオのトートリオンがそのお命を狙っております。
トートリオンは、部下を使い、その毒を持ってしてカルテアの君を。
そしてその隙に進軍を。
早急に対策を』
『君は天人だね?』
カルテアの君はふっと笑みを見せた。
『天人と話すのは久しぶりだよ』
『のん気な事を言っておられる場合では…』
『そうだね。ありがとうディオン』
『どうか、気をつけて』
『分かった、ありがとう』

「どうされました?」
3騎士もう1人が尋ねる。
「ああ、そうだね…」
カルテアの君は顎の辺りに手をやり、信頼を置く騎士達に話をした。

「まあ、お命が?」
レフィルはおっとりしていて、カルテアの君の良き妻となるであろう。

「カルテアの君、トートリオンは私が」
「カイザ、どうするという?」
「挙兵いたします」
「また、物騒な事を言う。
争いは終わったばかりだよ」
「いえ、カルテアの君。
我が騎士達は手練の者ばかり。
他の者の命は取りません」
「ではどうする?」
「”形だけ”でございます」
「”形だけ”か。
いいだろう。
カイザ、お前に任せる」
「はっ!」

_____________

ティニアの泉。

ディオンはカルテアの君へ、何とか知らせる事が出来ました。

「今すぐまたトートリオに戻らないと」

その前にディオンは深呼吸をしました。

(……落ち着いて行こう……)

ディオンはトートリオの方角を見て、仲間の事を想いました。

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